昨日(もう一昨日か)センター試験二日目が実施されました。リンク

私も1X年前にセンター試験を受けました。それ以来、新聞に掲載される問題を取っておくことはあったのですが、実際に解くことはしていませんでした。今年は何を思ったか少しだけ解いてみました。数学I/Aです。しかも問1,2だけ。

いやはや、これだけでも結構大変でした。時間は正確に計りませんでしたが、多分30分くらいは掛かってしまった。問題自体はそれほど難しくはなかったものの、計算ミス1つと、引っかけにはまったミスが1つありました。間違えたのは、第一問2と第二問(1)ケコサシのところ。後者は計算ミス。前者は考えが足りなかった。しかし、第一問2は結構良問ではないかと思いました。私はまんまと罠にはまったわけですが。よーく考えればわかります。悔しいので以下に記します。

「rは(pまたはq)であるための必要条件なのか、十分条件なのか」、という問いです。 これを確認するには、まずr=>p\/qが成立するか、を確認する必要があります。成立するならrは「十分条件」でpまたはqは「必要条件」となります。問いに答えるためには、その逆、つまりp\/q=>rが成立するかも確認する必要があります。これが成立すればrは「必要条件」で、pまたはqは「十分条件」になります。

実際に考えると、rが成立すると、45度の内角は一つもない、ということです。ここからが少し難しい。そのまま、このとき、p\/qが成立するか、ということを判定するのは頭が混乱します。ですので、r=>p\/qを判定するには、この対偶である~(p\/q)=>~rを考えた方が簡単です。これはつまり、~p/\~q=>~rですから、「どれか二つの内角が等しく、かつ直角三角形であるならば、45度の内角が存在する」ということになります。前半を満たす三角形は45,45,90度を持つ三角形しかありませんので、後半も満たし、したがって、正しい文であることが分かります。ですので、r=>p\/qは成立します。ですので、「rは十分条件」となります。

逆にp\/q=>rが成立するかを考えると、また対偶を取ると~r=>~p/\~qですから、「45度の内角が存在するならば、どれかの内角が等しく、かつ直角三角形である」ということになりますが、45,55,80度の角度を持つ三角形は、この文の後半を満たしません。ですのでp\/q=>rは成立しません。

以上をまとめると、「rはpまたはqであるための十分条件であるが、必要条件ではない」となります。

ふぅ、これだけの思考でやっと正答が導けるわけです。これは、もちろん学生は頭の中で考えるわけですが、少しはメモをしながらやらないと間違えてしまうのではないかな?まぁ、良い問題であることは間違いないと思われます。

ただ、このようによく考えてやれば解ける問題ですので、学生にとっては、制限時間内に全問回答する、というのが鍵になるのでしょう。そのために塾などでいろいろなテクニックを教わるのでしょう。第二問の(2)は、私は単純に計算して求めましたが、えらい式の変形が面倒でした。このような問題は、もっと効率の良い解き方がありそうです。

長々と書きましたが、このように、本当の思考力を試す試験をしないで良いのか、というのがちょっと疑問に感じました。もっとも、各大学は二次試験があるので、そちらで思考力を試すことはできるのでしょうが、エンジニアとしての実務では、時間はそれほど制約にならないことが多いと思います。それよりは問題の本質をとらえるための深い思考が大切だと思います。

もっとも、「早く思考出来る人間は深い思考も得意である」、ということはある程度成り立ちそうに思われますので、必ずしもこのような試験方法は間違っていないのかも知れませんね...。

以上、あまり意味のない駄文でした。

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